まずは恩田陸の「六番目の小夜子」。
こりゃー面白いっす。

何よりも「なぞの転校生」風のプロット、「時をかける少女」の様なノスタルジーは最高。

ホラーといっても残酷な場面は全くなく、その意味で実に健全。「学校の怪談」といったところか。いや、雰囲気でいったら、某なつかしの「ビューティフル・ドリーマー」を思わせるところもある。

文化祭の全員参加劇が秀逸。緊張感がすごい。

昭和38年生まれのワタクシとしては、ツボにはまって抜けられない秀作だが、昨今の若いみなさんにうけるかどうかは不明。(永遠の昭和世代青春劇っつーか。)

  ***

おそまきながら、宮部みゆきの「Level 7」。ホラーSFを思わせる導入部ながら、内容はいたって普通のミステリでした。しかも注意深く読んでいたので、後半はネタがわかってしまった(だまされなかった)。逆に言うと、それくらい親切で、真摯な作品。

いや、「思っていたものとは違う」のは事実だったけど、だからといって、面白くないものでは決してなかった。むしろ、非常に面白かった。

何よりも、登場人物たちが全て「ちゃんとたっている」ことだ。一人一人がそれぞれ深い過去を持ち、現在に生きているのだ。(シャーロット・マクラウド作品等にも通じるところがある)

ゆってみれば、ホームズ君とワトソン君が一作品で使い捨てされている状態と言うか。普通だったらこれでシリーズくむぞ。(「○○の事件簿」の様な)

これも昭和38年生まれあたりの人にピピっとくるしかけ満載。つまり「あさま山荘事件」よりは「ホテルニュージャパン火災」の方がピンとくる世代向け。

  ***

ビデオで「攻殻機動隊」のTVシリーズを見た。
軽い気持ちで見たが思ったよりも原作の雰囲気をよくくんでおり、すばらしい出来である。スピード感のあるアクション、適度なポリティクス、抜群のテクノロジー・フィーリング、CGを多用したカーアクションなど。なんというか、バブルで弾けなくてそのまま禍々しい成長を遂げていたらこうなっていた日本、という感じがよく出ている。

キャラもさらにちゃんとたっており、特に原作ではおちゃらけていたバトーの意外な老練ぶり、原作よりも少したくましいトグサ、あいかわらずービューチフルで恐ーい草薙素子、その他のみなさんのご活躍もすばらしかった。

原作や映画「攻殻機動隊」を見て、「おかわりがほしい」と思ったヒトにはお勧め。

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